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2008年8月16日 (土)

ココニイル

あー・・・・・・なんか妙な電波を受信してしまったようです。

黒マント用に怖い話を考えていたら、精神攻撃を喰らってしまいました。

あまりにも救いがなく、純粋にこの話怖いんじゃない?と思ってしまったため怪異談話にせずここでの発表とします。

最初に言っておきます、これはフィクションです。

完全に人の手によって作られた造話です。

わたしの脳内アンテナが受信したお話に過ぎません。

それをご理解のうえ、お楽しみください。

『ココニイル』

わたしは夢の中にいた。

いや、それが夢なのかどうかわたし自身理解できてはいないのだ。

それがあまりにも漠然としすぎていて取り留めの無い感覚であったため、わたしの心がそれを夢だと思い込もうとしているのかもしれない。

それは、とても奇妙な感覚だった・・・・・。 

 

 

わたしはここにいる。

夢の中でわたしは必死に叫んでいた。

世界はいつもとなんら変わることはなく、ただただ平凡な日常を繰り返し、当たり前のように時は流れてゆく。

その中で、わたしだけが明らかな「異質」として存在していた。

 

わたしだけが、世界から認識されていない。

 

何故か、そんな気がした。

この世は無関心に溢れ、道行く人になど目もくれない。

それはあまりにも当たりまえすぎる現実の風景。

どこかしこで普通に見られる、現実の風景。

 

 

だが、わたしだけは別だ。

 

誰も、わたしに気付かない。

同じ世界に生きながら、まるでわたしだけが別の空間に存在しているかのように・・・・。

人々の中にある無関心。

その更に外にある「なにか」に阻まれている、そんな風にも思う。

どんなに手を伸ばしても、きっとその手は虚空を掴むことしかできないのだ。

わたしはここにいる。

でも、わたしはこの世のどこにも存在しない人間。

 

そんなことをぼんやり考えていると、涙が勝手に零れだした。

身体はガタガタ震え、無性に恐ろしくなり一歩も動けない。

わたしはここにいる。わたしはここにいる。わたしはここにいる。わたしはここにいる。わたしはここにいる。わたしはここにいる。わたしはここに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

まるで何かに取り憑かれたように、道端にうずくまり声にならない声で呟くわたし。

だが、そんなわたしにすら関心を持とうともせず通り過ぎて行く人の流れに、わたしは己の孤独を否応なしに認識させられてしまう。

 

わたしはどこへ行くのだろう。

わたしはどこへ行けばいいのだろう。

わたしがわたしでいられる世界は、どこにあるのだろう。

 

そんなもの、どこにもない。

そのことに気付いていながら、それを認めたくない。

この世界にわたしの居場所は最初から存在していない。

ここは、わたしの世界じゃない。

 

わたしは歩き出す。

わたしがわたしでいられる場所へ。

それがどこにあるかもわからないまま・・・・・。

 

 

 

ふいに、意識が現実へと引き戻される。

真っ暗な部屋。ベッドの中のわたし。

やはり、夢だったのかと安堵したのもつかの間、わたしは世界に色が無いことに気付く。

いや、色だけではない。

音もまるで聞こえない。

部屋の外を覗き込み、わたしは悟る。

 

 

そうか・・・・現実(ここ)にもわたしは存在していないんだ・・・・・

 

 

頭に浮かぶ光景。

真っ白になっていく意識とは対照的に、真っ赤に染まっていく世界。

それは、わたしの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

「ねえ知ってる?昔このマンションで女の人が手首切って自殺したんだって」

「ちょ、やめてよそんな話。わたしが怖い話苦手なの知ってるくせに」

「なんでそんなことしたか、遺書も何も無かったから何にもわからないんだって。でね、それ以来ここでは奇妙なことが起きるって噂が流れ始めたのよ」

「き・・・・奇妙なこと・・・・?」

「そう。噂だとね、深夜にこの近くを通ると聞こえるんだって・・・・・」

「聞こえるって・・・・・な、何がよ・・・・・」

「か細い女の人の声でね・・・・・・・聞こえてくるのよ・・・・・・・・・・」

「ワタシハ・・・・・・ココニイルノニ・・・・・・・・・・」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「今・・・・・何か言った?」

「う、ううん。何も言ってない・・・よ」

 

 

 

 

「「きゃあああああああああああああああ!!!!」」

 

彼女はそこにいます

ほら、あなたのすぐ後ろに・・・・・・・・・

聞こえませんか?

彼女の声が

もし聞こえてしまっても

決して振り返らないで下さい

決して返事をしないで下さい

でないと・・・・・・・・・・・・・あなたも彼女の世界へ連れて行かれるかもしれませんよ・・・・・・・・・・・・・・・

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コメント

素晴らしい。

こゆ路線は嫌いじゃないぜ!

投稿: Nivea(艦長) | 2008年8月16日 (土) 00時43分

コメありにゃ~

読み返して、改めてなんつー電波を受信したんだと思う・・・・。
こゆ路線は好きだが引っ張られるからちょと怖いのだっ!


ぷりーずへるぷみー><

投稿: ゆーり(管理人 | 2008年8月16日 (土) 02時06分

相変わらず素晴らしいテンポの創作ですね~?
これが長編だったら~リアが家事が遅れま
くりますよ~^^;w

投稿: ジニー | 2008年8月16日 (土) 17時44分

コメありにゃ~

いやいや、まだまだですよ~
これ以上長編にすると終わりが見えなくなるので^^;

お陰で色々遅れちょります(ぁ

投稿: ゆーり(管理人 | 2008年8月16日 (土) 21時55分

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